飛騨高地 八乙女山(756m)、大寺山(920m)、扇山(1033m)、赤祖父山(1020m) 2011年11月5日

所要時間 6:10 八乙女山登山口−−6:26 八乙女山−−6:45 栃原峠−−7:27 大寺山−−7:30 大寺山三角点−−8:02 扇山−−8:16 赤祖父山−−8:28 扇山−−8:53 大寺山−−9:17 栃原峠−−9:46 車道−−9:52 八乙女山登山口

概要
 八乙女山北東側の登山口から道宗道を通って赤祖父山を往復。八乙女山や大寺山山頂付近を通る車道は草籔や泥濘で普通車では通行困難。道宗道はよく手入れされて快適に歩ける。大寺山のみ西側の展望があるが他は樹林で展望皆無

 庄川左岸の旧利賀村/旧井口村境界(両者とも現南砺市)には、稜線上に車道が延びた山脈がある。八乙女山〜赤祖父山である。地形図では稜線上に破線が描かれているが、例のごとく地形図の破線は信用できないが、車道については廃道であっても少なくとも道形は残っており、登山道代わりとして使える可能性が高い。ここは4山がまとまっていることもあり効率的に山数を稼げる。それにこの土曜日は天気が下り坂の予報で、北陸では夕方から雨の予報。山間部はもっと早く降り始める可能性もあり、その前に雲が下りてきてガスがかかってくると予想できた。あまり高い山に行ってもガスって展望が見えないのでは面白くないし、早めに雨が降ってきたときのことを考えると籔漕ぎはしたくないし、こんな天気予報の場合は細切れで短時間に登れる山を次々と訪問し、雨が降ってきたところで切り上げるのが正解だろう。そんなときにこの領域は便利だと判断した。車道が通行可能か不明だが、少なくとも八乙女山北側の太い道は大丈夫だろうと考えた。

峠の駐車場 八乙女山登山口

 八乙女山の北側の車道は舗装で広く、稜線を乗り越えるところに東屋と駐車場があり、僅かに西側に登山口、尾根上には車道と「道宗道」の標識が。遊歩道のコース名だろうか。車道を少し入ってみたが、最初は良かったが少し入ると路面が荒れており普通車では困難と判断、素直に駐車場から歩くことにした。せっかくだから林道ではなく登山口の方から。

登山道 反射板
上を目指して登る 林道横断
稜線上は「道宗道」の標識が続く 三角点峰。地元ではここが八乙女山

 かなり立派な道で広く刈り払われている。斜面を斜めに登ると反射板登場、ここから方向を変えてまっすぐ高みに登っていく。林道を横切り直進の登山道には「道宗道」の標識が。どうやら稜線上に登山道は「道宗道」と呼ぶらしい。事前調査をしていなかったので意味が分からないが古い道っぽい。なおも登ってピークに到着すると三角点と山頂標識が登場、地形図上の八乙女山山頂だ。しかし山名事典では最高峰の756m峰を山頂としており、やっぱり最高点に立ちたいのでここはスルー。この一帯は杉の植林帯で展望は皆無だ。

林道を横断して稜線を行く 八乙女山最高峰 756m峰。標識無し

杉の古木 その1 杉の古木 その2

 再び林道を横断、稜線の道宗道を歩く。ずっと杉の植林帯が続くが、中に1本だけ幹が太く枝ぶりが立派な杉が立っていた。全てが植林された杉ではなく昔から生えているものも稀にあるらしい。山頂からの下りでも古木が1本あった。緩やかに登ってなだらかで広い山頂一帯に到着、しかし最高点付近には標識や広場は無く、地元では三角点峰が八乙女山として認知されているようだ。最高点は灌木と笹が生えた杉の植林帯であった。

また林道に出た 紅葉したブナ林
栃原峠 栃原峠の石碑

 再び林道に出るとしばし林道歩き。路面は最近も車が入っているのが分かるが未舗装で微妙に悪く、場所によっては泥濘もあって4WD車ならまだしも普通車で入るのはちょっと・・・の感じ。まあ、軽トラが似合う道と言えばいいか。鞍部には栃原峠の標識があり高い場所に石碑も立っていた。

栃原峠の先で林道はこんな状態に でも進むと刈り払われた状態に
林道から見た砺波平野 ピークの一つに反射板

 峠からやや先で車道は稜線を離れて右に巻き始めるが、ここで稜線上に刈り払いされた道が分岐する。しかし標識も何も無く、どこに行かされるのか不明だ。ここは尾根に沿って設置された林道を歩くのが正解と判断し、そのまま林道を進む。上り坂になると林道両側からススキが覆いかぶさるようになり、今までよりも明らかに状態が悪くさっきの刈り払いの入口が正しい道だったようだ。まあ、車の幅がある林道なので真ん中あたりは草が届かない範囲で歩く分には全く支障は無いが。890m等高線で右から合流する林道も草がはみ出して普通車で突っ込むには勇気がいる状態で、この稜線付近の車道はどこもこんなものらしい。

780m鞍部。ここで林道を離れて尾根を登る 尾根上の道
尾根から見た北ア南部(クリックで拡大)
尾根から見た劒岳〜立山
尾根から見た後立山北部

 805m峰を西から巻いて780m鞍部に到着。ここで左と右から林道が合流するが、右手の林道はかなり草ぼうぼうで左の林道は使われていそうな感じだ。このT字路には「道宗道」の標識があり、林道を離れて正面の稜線に上がっている。この登山道?はちゃんと刈り払いされて整備されて歩きやすく、どこまでこの状態が続くのだろうか。地形図では稜線上の破線は赤祖父山を越えて杉尾峠まで延びているが。大寺山への登りはなかなか急であるがこの尾根は割と樹林が開けて展望が良く、昨日に引き続いて北アルプスから劒岳北方稜線の山並みが続いていた。しかし雲が多くちょっと不気味な色の朝焼けが。やはり天候は下り坂なのだろう。

まだまだきれいな道が続く 傾斜が緩む
尾根から見た北ア全景(クリックで拡大)
山頂の一角 大寺山山頂

 910m峰で左に方向を変えて少しの標高差が急坂を下り、杉の植林帯を緩やかに登ると平坦な大寺山山頂に到着。ここも杉の植林だがまだ若いようで鬱蒼とした薄暗い樹林中ではなく開けて明るい場所だ。西側はそこそこ展望がある。三角点はここにはなく、地形図を見ると僅かに西に下ったところにあるようだ。そちらの方には道は無く、見下ろしてみたがどこにあるのか見当がつかなかった。まあ、山頂を踏んだので三角点を目にしなくてもいいけど。

また林道に出る 大寺山三角点入口
ここも良好な道 大寺山三角点

 緩く下ると林道に出て、そこには三角点の案内標識と立派な道があるではないか。林道から1分も歩かないうちに三角点登場。残念ながらこちらは杉に取り囲まれ展望は無かった。

再び林道歩き。ここは開けて明るい 林道から見た扇山
刈り払われた林道 ここで林道を離れる

 林道に戻り、しばし林道歩き。この林道区間は路面が乾いて東側の展望があり、歩いていても気持ちがいい場所だった。開けているのでこれから向かう扇山らしいピークも見えている。扇山と赤祖父山は今までと違って林道は稜線から離れてしまい、登山道が無いと杉植林下の笹や灌木の籔漕ぎになりそうだがどうであろうか。しかしその心配をよそに林道から立派な登山道が分岐、そこにはちゃんと「道宗道」の標識が立っていた

緩やかな尾根を登る 植林が終わりブナ林に変わる
4mくらいの高さにある目印 扇山山頂

 尾根に沿って緩やかに登っていくと、尾根下部は杉の植林だったが高度が上がるとブナ林に変わり今までと雰囲気が一変、林道が無くなったこともあって自然の山らしくなった。1030m峰で左に進路変更、緩やかに登っていくと八乙女山や大寺山同様、のっぺらで最高点が明確でない扇山山頂に到着、ここには「道宗道」の標識が立ち、そこに扇山の文字があった。のっぺりして周囲は笹と背の高いブナ林なので、落葉した隙間から僅かに展望はあるが基本的に展望のある山ではない。

微妙に木の高さが低い 赤祖父山山頂
赤祖父山山頂標識 その1 赤祖父山山頂標識 その2

 扇山から赤祖父山までは大した距離ではない。稜線は緩やかでブナ林が続き、鞍部から登って傾斜が緩むと同じような高さが続いて明確なピークが分からなくなる。地形図でも同じような高さの小ピークが林立し、どこを山頂としていいのか判断に苦しむが、改訂版山名事典では破線が合流するピークを山頂としておりGPSにはこの緯度経度を入れている。平坦な山頂部を歩いていくとGPSの残距離がゼロに。確かに三叉路となっており、山頂標識は西に入った登山道脇に立っていた。一帯は平坦でありピンポイントで山頂位置を指すことは不可能、この一帯を山頂としていいだろう。扇山同様、のっぺりして周囲は笹と背の高いブナで展望は無い。

八乙女山は城跡らしい もう一つの登山口

 これで本日最初の4山は完了。もう少し時間がかかるかと思ったら出発から約2時間で、そこそこ距離はあったが標高差は少なく疲労を感じるほどではなかった。帰りも距離はあるが基本的に下りなので休む必要はなかろうと、そのまま帰路に就く。帰りがけに林道を歩いていると軽トラがやってきた。やはりこの道には軽トラが似合う。八乙女山からの下りは林道を外れて「道宗道」の標識に従って下ったが、車道に出た個所は峠よりも西に下った個所で、駐車場まで登り返す羽目になった。素直に林道を歩いた方がよかった。

 

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